2009年08月11日

Monday is Monday

 月曜日は、月曜日だ。

 むかーし、歌があったよね。
 Tell me why I don't like Monday……だっけ?

 朝10時から、電話会議をした。
 3者以上になるとVIDEOは映らないので、むしろ都合がいい。
 でも、音はいいので充分。

 会議中、家電話が30コールくらい鳴って(留守電を設定していないから)、よほど出ようかと思ったけれど、そういう小さい「借り」(電話の主ではなくて、会議中の仕事の相手=顧客)が、仕事に影響するのだ。
 そういうことを「貸し」にする人々は、以外に多いんだよ。
 むしろ、電話が背後でリンリン鳴ってる方が、忙しげな気分が出る?

 電話は、友達からのものだった。
 だので、あとでかけ直した。

「本気で、少しお仕事の話をしませんか?」とメールが来た。
 P嬢。
「失礼な言い方だったらごめん……僕は《本気》って言葉が苦手です。で、茗荷谷、千石、大塚、巣鴨のどっかならよいけど」と返事をした。
「ご自宅の半径1キロからお出にならないの? それはご勝手ですけれど、少しはお出かけになったら?」
「ブクロまでなら」と返事をした。
「たまには美味しいものを召し上がりません?」

 この人は、何を言っているのだろう。
 いや、ヘンクツな意味ではなくて、イタリヤ料理やフランス料理が、美味しいものなのだろうかな。

「では、たまには出掛けてみますかね」と返事をした。
 品川駅の大きなビル内にある、カニとカキを食わせる店を指定された。
 この季節にカキはどうかと思ったが。

 ウエイティングバーがあると聞いていたので、少し早めに着いて、ドライシェリーとジンライムを飲んで待っていた。
 20分遅れくらいでP嬢が現れ、テーブルに案内された。
 手をベトベトにしながらカニ(サンフランシスコ風の、ガーリックとバターでギトギトのやつ=ダンジネスクラブという美味いカニ)を食い、馬鹿話をした。
 馬鹿話とはいえ、今現在売れている本の話の「悪口」を言ったらこっぴどく怒られるので、古典の話をした。
 古典の話って……なんだか偉そうだけど、夏目漱石の「坊ちゃん」とか、太宰治の「如是我聞」の話とか。
 それだって、シガナオヤの悪口(それは、太宰がゆってるんだぜ?!)の話でもしようものなら、またこっぴどく怒られるので、言葉は慎む。

「カニを食うと、皆、無口になる」なんてのは、カニを食ったことのない人の妄想じゃないの?
 カニをバリバリ食うと、楽しいもんだよ。

 尊敬する友のRodrigues(ロドリゲス)の技を、提案してみた。
「あー、あるだけのレモンを、カットして、持ってきてくれない?」
 ロドの台詞!
 そうなのだ。
 生のレモンで手を拭うと、カニも油もすっかりきれいになるのだ。

「で、『チャウロップ・ポームズ』と『黒い春』と『万華鏡のころ』と『ザザムシのことで、またもや思い出した』と……。本当はどれを書きたいの?」
「……それを答える前に、林檎のブランデーを飲ませてよ」
「こういうことは、繰り返していたわよね。あなた、飲んだ後で『俺は別に、なんも書きたくないし』って言う」
「ちょっと違うよ」
 と俺はそこで、林檎のブランデーを頼む。
「どう違うの?」
「『書きたくない』とか言わないよ。別に、作家じゃないんだし」
「わかるように言って」
「いや……俺は別に何も『書けないし』って」

 沈黙になり、デザートを勧められ、P嬢はシャーベットを、俺はクレムなんとかという、焦げて溶けたプリンみたいな、ほら、なんていったかな……。
 ブリュレ? だよね。
 そして、フレンチ・コーヒーをもらった。

「ほんとにやる気ないのね」
「……これは喧嘩を売るつもりじゃないけどね、やる気があるかどうかなんて、わかるもんかい?」
「あなたが何を言おうとしてるか、わからなくことがあって、すごく戸惑うことがある」

 俺たちは、品川駅の味気ない大きな通路を歩いた。
 改札口あたりで、
「高輪口に出ると、ろくでもない飲み屋街があるよ」
「ろくでもない飲み屋街なんて、行きたくないわ」
「しょっぱさが自由自在の、屋台のラーメンもある」
「おなかいっぱい」
「じゃあ君は、気を付けて帰りなさい」
「あなた、どうされるの?」
「おなかいっぱい」

 P嬢は、デザートのシャーベットより10℃くらい温度が低そうな、そうさ……かき氷のシロップ抜きみたいな目で俺を睨んでから、改札口を通って行った。

 ああ……こうしてまた、俺の世界は狭くなる。

 田町まで歩いた。
 ポケットに入れていた電話が震えたので開くと、
「私は少し、キツいですか?」とP嬢から。
 少し考え込んだけど、もったいつけているように思われるのも残念なので、
「あなたはとても優しいと思うケド?」と、返事をした。

「ケド?」のカタカナが気に入らなかったのかな。
 返事は無かった。

 どうでもいいけど、最寄りの山手線、大塚or巣鴨から一番遠いのが、品川or田町なんだ。

*後から思えば、三田から都営三田線に乗ればすぐだった!!


このブログ風読み物はフィクションです。
実在の人物・団体・商品・店名などとは関係なく、
ストーリーも全て架空のものです。

posted by TAKAGISM at 18:49| Comment(5) | 日常
この記事へのコメント
書きたいものを書くだけなら気楽でいいけど
本にするべく…となると気が重いですね
私は責任の重いことは苦手なので
人の評価なんかも気になる日は気になるし
でもブログ楽しみにしてます
高木さんという人物が好きだからその考えや心を知りたいと思うので
甲乙などつける気はございません
ところで今日初めてじゃがポックルたべました
Posted by ふじこ at 2009年08月11日 22:21
ブログの更新楽しみにしていたのでうれしいです。 最近のは小説を読んでいるようでおもしろいですね。 夏バテなどされないよう気を付けて下さいね。
Posted by みさお at 2009年08月12日 01:24
・・・可哀想・・・正直そう思っちゃいましたが、これもご自身が選んだ道?ですか?。
 
高木さんは別に生活の為に書く必要もないし(それは皆さんも分かっていらっしゃると思いますけれど)、でも追い詰められて初めて開花する才能もあることはある・・・けれども…。

一番は高木さんの想いのままに、自分が一番気持ちいい状態でいられることが大事で、そうすると自然と次に進みますよ。

未だに自分から目を反らして才能を開花させる勇気もない誰かさんよりかは、ひと休憩中の高木さんでいいじゃないですか。
夏なんだし、バルコニーから空を見上げて、雲の動きなんか見ていたら自然と何かを創りたくなりますよ。
Posted by 心哲 at 2009年08月12日 12:39
夏は「岩牡蛎」という、どでかくて旨い牡蛎の旬です。
召し上がらなかったのだとしたら、非常にもったいないです〜
Posted by ニコラス@大切に持ってます at 2009年08月13日 03:19
ふじこさん

 ちょっと、売れない作家風味で書いてみただけですよ。
 いつも読んで下さってありがとう。
 じゃがポックル……僕は食べたことないです。


みさおさん

 夏バテはだいじょぶです。
 エアコン入れまくりは、どうかと思うけど。
 あと、食事のたびに、ニンニクをたくさん食べています。
 ラーメンとか、レバ刺しみたいなの食べるときに。


心哲さん

 かわいそう……
 ありがとう。
 生活のために書く必要があるんですよ。
 人には言えないような原稿も、書いていますよ。
 バルコニーから、雲だけはよくよく見えるんです。
 飛行船も、ヘリコプターも。


ニコラス@さん

 それは貴重です>ニコラス。
 だって! 僕が持っていないんですから!!
 岩牡蠣は、立派なお寿司やさんにはありますね。
 でも、かの店には、クマモトとかワシントンとか、おされっぽい小粒のばかりなんです。
 大きな岩牡蠣は、あれはあれで、おなか一杯になっちゃいますよね。
 でも食いたい!!
Posted by 筆者 at 2009年08月14日 17:35
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