2009年08月12日

パリ・テレホン

 朝の五時に電話が鳴った。 
 たまたま起きていた。 
 Susieからだった。 

「そっちが早朝だって言うことは判ってるの」と、先手を打たれた。 
「これまたうまい具合に俺は起きてたよ。君、どこ?」 
「パリ」 
「ほー、これまたコスモポリタンなことで。カルチェ・ラタンで昼下がりのコーヒーか」 
「どうしてわかるの?」 
「あてずっぽ。で、どうした?」 
「これから飛行機に乗るのよ」 
「今度はアフリカにでも?」 
「ハズレ」 
「じゃー、ノルウェー」 
「ハズレ。……久しぶりに帰ろうと思って」 
「ジャポンに? おやおや、これまた」 
「ナリタが何時だったかしら……とにかく、都内には戻りたいのよ」 
「そらそうだよな。成田のホテルでの泊まりほど、寂しいもんはない」 
「あなた夕食は、遅くてもいい?」 
「はぁ?」 
 音が途切れた。 
「○○○○!(伏せ字言葉)……電池が弱いのよね、この電話機」 
「で?」 
「あたしの気分は、コリアン料理なのよ」 
「はい。こちらの気分は、朝5時ですがね」 
「ナリタに着き次第、真っ先に電話するね」 

 誰かがケーブルでも引きちぎったように、ぶっちりと電話が切れた。 
 今夜の、シャルル・ド・ゴールからの着便は、何時だ?!


このブログ風読み物はフィクションです。
実在の人物・団体・商品・店名などとは関係なく、
ストーリーも全て架空のものです。

posted by TAKAGISM at 14:31| Comment(0) | 事件
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